2019年6月11日火曜日

ラフマニノフ 交響曲第3番

作品番号44番。ラフマニノフがロシアを出てから作った6曲のうちの一つで、最後から2番目の作品。
ロシア色が強く出ていて、好き嫌いの分かれるところかもしれない。例えば交響曲2番は万人受けするかもしれない。特に第三楽章のアダージョの美しさは、誰も好きじゃないとは言わないだろう。しかしこの曲には異国にあるロシア人ラフマニノフの「らしさ」が出ているような気がする。ヨーロッパでもなくアジアでもなくイスラムでもなく、ロシア。それでいて色々な要素がモザイクのように混ぜ合わさって大きなロシアを形作っている。同じように、ヨーロッパのような洗練された感じの全体像ではなく、ロシア模様の様々なモチーフが随所に詰め込まれていて、それでいて「祖国にはもう戻れない」という悲壮感と郷愁も漂っていて、混沌とした塊のような曲だ。特に第2楽章は涙なしには聴けない。

SUCD 10-00143

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