こってりとも違う、どっしりとも違う、クセ強とも違うデミジェンコ。独特のテンポ感と間合いが洗練と泥臭さのちょうど中間にあって、何とも言えない独特の雰囲気を醸し出します。
冒頭のスクリャービンのピアノソナタ第2番は、もやっと幻想的で美しいですが、内にこもる感じの演奏です。それに対して「炎に向かって」は文字通り炎に攻めるように外へ向かってます。黒ミサはその中間の演奏でしょうか。
「束の間の幻影」は冷めたところのない、落ち着いた演奏。デミジェンコの演奏はいつでもどれでも、テンポ遅め、ちょっと遅れてスタートする長距離走のような、不思議な演奏。そこが好きなんですが。
CONIFER 75605-51204-2 |
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