プーランクは宗教曲もやっぱり転調尽くし。
でもそれが宙を舞う精霊を見ているような、多くの登場人物が描きこまれた宗教画を見ているような、そんな気分にさせられるのです。
ふつふつと悲しみが沸き上がってくるようなスターバトマーテル。
宗教曲以外のプーランクの転調は、艶っぽいような官能的な気分にさせるけれども、宗教曲は目には見えない何か確かなものを見せてくれるような、跪いてしっかりと祈りたくなるような気分にさせられます。もともとはレクイエムのつもりで作り始めたとか。悲しみの成分が多すぎて少々辛い気分にさせられますが、祈りと救いも詰まっているのです。
グローリアは賛美の句だけあって趣を異にしています。まず悲しくはない。そして何故か居心地の悪そうな不穏な音型がときどき出現するのです。6曲構成ですが、どれも宗教曲らしくない冒険的な気配を忍ばせているよう。
Decca 448 139-2 |
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