2022年9月11日日曜日

チェレプニン ピアノ協奏曲

アレクサンドル・チェレプニンのピアノ協奏曲第2番第3番第6番。ピアノはマレイ・マクラクラン。
ロシア生まれのチェレプニンは父親も音楽家・作曲家のニコライ・チェレプニン。ロシア革命で家族でパリへ亡命。
亡命後5年ほどして作曲されたのが第2番のピアノコンチェルト。単一楽章のような作りです。グルグルと低音が聞こえてきたと思ったら、ファンファーレのような金管、そして行進曲がグルグルと続き、3楽章にわたって同じテーマで突撃と行進を続けるような戦うような曲です。気分を上げて何か作業する時に聴きたい1曲。
第2番から9年後に作られたのが第3番で、2楽章構成の調性がかなりあやふやな作品です。怪獣映画のテーマで使われてもいいような、襲い掛かるようなメロディが弦で次から次へと繰り出されて、ピアノが応戦しているような曲です。
第6番は第3番からは第4番第5番を経て33年後の作品です。打楽器のように鳴るピアノで始まり、パワフルかつアグレッシブな第1楽章は中間部も打楽器パートが大活躍します。この楽章を聴くと、何だかんだ言ってもチェレプニンはロシア出身の作曲家だなと思います。不穏な気配で始まる第2楽章。すぐに浮遊感と透明感のある未来空間へ連れていかれます。温かみのある明るい調性の世界をちらりと見せながら、無調性世界をたゆたうようです。第3楽章はますますロシア的な調子を帯びています。ロシア民謡的なメロディーが織り込まれ、ピアノとオケが丁々発止に進み、急に幕切れとなります。解説には第3楽章に「BAECH」バッハの綴り(BÄCH)チェレプニンが滞在していたスイスの地名だそうですが、この音が練り込まれているとあります。探してみるのもいいかもしれませんね。

OCD 439
A.Tchrepnin: Piano Concertos 2,3 & 6

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