2023年2月19日日曜日

オボーリンのスクリャービン

 レフ・オボーリンといえば、V・アシュケナージの師、D・オイストラフとの共演、のイメージでしょうか。ベートーヴェン弾きのイメージがありますが、このCDではベートーヴェンのソナタ31番の他にショパンのソナタ3番、ブラームスの作品119、スクリャービンのソナタ2番を弾いています。

非常に明快で簡潔。迷いのない演奏。曲のイメージをそのまま素直に再現しているような模範的な演奏でしょうか。演奏者の感情や解釈を演奏に込める必要があるのか、作曲者の意図をそのまま聴衆に届けるべきなのか。どちらが正しいというわけではないでしょうが、曲の本質を知るには素直な演奏者の演奏の方が向いていると思います。クセがなくて聴きやすい。

スクリャービンの、ゆらゆらと立ち上る繊細な雰囲気や怪しげな香気は薄まっていますが、曲の骨組みはわかりやすい演奏です。逆に「炎に向って」などの曲はどのように弾くのか聴いてみたい。

MELODIYA 74321 33211 2
Russian piano school
Lev Oborin



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