アシュケナージの音の絵。Op.39-5に絞った感想です。
決意に満ちた冒頭第一音のEs。8小節目のAsに向けて徐々に上げていく感じの演奏が多い中で、最初からテンション高めです。各音をはっきりと弾いていながら、ガチャガチャせず、すっきりと洗練された感じがして、さすがアシュケナージですね。
中間部は内声をあまり出さないで主旋律を高らかに歌っていきます。41小節目からの難しい部分も淡々とした感じで進み、そしてテンポプリモへ向けてのcresc.ed accel.はガンガン盛り上げないでテンポプリモ直前のrit.で何故かdecresc.してしまう。美人だけど素っ気ない感じの演奏ですね。67小節目からコーダへの弾き方は人それぞれでかなり違っていて、興味深い部分ですが、ここもあれっと思う間もなく、さささーと通り過ぎる感じ。アシュケナージはロシア生まれのわりに、ロシア臭がしないと思うのは私だけでしょうか。
勝手な5段階評価でパワフル度4、重量感4、精密度5、濃さ3、ロシア度3というところです。(演奏時間5'11)
CDにはほかにコレルリの主題による変奏曲Op.42が収録されています。
F32L-20160 Rachmaninov Etudes-Tableaux Op.39 Vladimir Ashkenazy |
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