CDには他にフォーレのラシーヌの雅歌、小ミサ曲、パヴァーヌ、デュリュフレの前奏曲・アダージョと「来れ創れり主なる聖霊」によるコラール変奏曲、オルガン組曲が入っています。
言わずと知れたレクイエムの名曲。フォーレ。天国的な美しさと安らかさです。この曲に送られたら満ち足りた気分で安心して眠れるでしょう。このCDはピエ・イエズスがボーイソプラノ版です。以前は美しいけど不安定感のあるボーイソプラノ版が苦手でしたが、歳を経ると受容できるようになりました。大人の女声の音程にゆらぎのない完全な歌声はもちろんすばらしいけれども、ゆらゆらと危ういボーイソプラノもまた味わい深いというか。
アニュス・デイからリベラ・メまでのあたりが私の中では一番の盛り上がりで、特にホールなどで臨場感あふれる演奏を聴いたときは魂が揺さぶられて涙が出ます。
同様に天国的なデュリュフレのレクイエムですが、こちらは絵画的と言うか、大聖堂の天井画で天国の絵を見せられているような気持ちにさせられます。メロディの浮遊感がものすごくて、天使たちの飛び交うのが見えるような気がします。グレゴリオ聖歌の旋律が生かされていて、魂を送るために1000年近くも歌い継がれてきた揺るがぬ音型が、現代の新しいレクイエムのメロディの中に織り交ぜられていて見事です。
こういった音楽に見送られれば幸せですね。
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