ルステム・ハイロウディノフの音の絵。Op.39-5に絞った感想です。
ふつふつと湧き上がる感情をそのままモロに出さないように抑えている演奏。走りすぎたらちょっと引き戻す感じがあります。そんな感じで18小節目からがフォルティシモまでがちょっと重くてゴツゴツしています。
さらにテンポプリモがどっしりと重く、molto marcatoをしっかり守っている感じです。パワーにまかせて走らないゾという決意。
コーダは鐘の音が鳴っているようなロシア的な景色は感じられないけれども、たっぷりの水にたゆたっているような、なめらかな弾き方です。
CDのノートにこの曲に対するリヒテルの言葉が引用されていました。非常に興味深いコメント。
--- Although I love listening to it, I try to avoid playing such music as it makes me feel completely naked emotionally. But if you decided to perform it, be good enough to undress! ---
Hayroudinoff, Rustem. Liner notes for Rachmaninov Etudes-Tableaux. CHANDOS, CHAN 10391, 2006, compact disc.
『(この曲を)聴くのは好きですが、感情的に丸裸にされてしまうので、演奏するのはなるべく避けたいです。でももしあなたが弾こうと決めたなら、服を脱ぐくらいのことはしてくださいね』
リヒテルはop.39-5の録音は残していないようですね。
(演奏時間4'47)
CHAN 10391 Rachmaninov Etudes-Tableaux op.33 op.39 Rustem Hayroudinoff |
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