ミャスコフスキーのピアノソナタ集。マレイ・マクラクラン演奏。
第1番の第1楽章の出だしを聴いて、「お!」と驚きました。1番の割には曲が若くない。いきなり対位法でしみじみ風情だからでしょうか。さすがミャスコフスキー。渋い渋い。と思いましたが、第2楽章はスクリャービンの初期を思わせるような暗いロマンティックな曲想と中間部からはメトネルのようなかっちりした構造の曲。1楽章でのテーマが形を変えて織り込まれています。コンサートなどでこの楽章だけ弾いてもいいような気がします。ゆったりした第3楽章にもテーマが織り込まれ、ちょっと固めのロマンス。ミャスコフスキーは固いですね。愛を語るときもガチガチしていそう。真面目な若者の印象。第4楽章はメトネルのような雰囲気。全体を通して聴くと1番は、やはり若い曲なんですね。
第2番はDiesIraeの鐘の音がこれでもかと鳴らされる曲。ニコライ、一体何を経験したのか。この単一楽章をマクラクランは、あっさりと弾いていますが、ヘゲドゥーシュ・エンドレの演奏は長い時間かけてコテコテに弾いています。この曲へのミャスコフスキーの思いを妄想したら、ヘゲドゥーシュの演奏の方が私にはしっくり来ます。第2テーマのキラキラした感じも、ミャスコフスキーのピアノ曲限定の美しさで、素晴らしいです。どうしてピアノ協奏曲を書かなかったのだろう、ニコライ。
第3番はますます不可解さを増した作品。何に苦悩し、何を求めているのか、ニコライ。初めて聴いたときは、辛い曲でした。今でも悩みの根源はわかりませんが、この曲の救いは、最後に突然視界が開け、天からの光に照らされた道がはっきりと見えるところです。そんな終わり方です。
2番3番に比べれば、非常にマイルドな第6番。3楽章構成で、曲も短く、穏やかです。穏やかすぎて、いまいち印象が薄いです。
OCD 214 Myaskovsky Piano sonatas 1,2,3, & 6 |
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