2022年7月17日日曜日

ミャスコフスキーのピアノソナタ第4番第5番とソナチネop.57

 マレイ・マクラクラン演奏のミャスコフスキー作曲ソナタ集第2巻。

第4番は初期ソナタ群の最終曲に位置して、ミャスコフスキーの難解さがあふれる作品の一つ。それでいてふと第2楽章に内面的な情感が現れています。第2楽章はサラバンド風で、ゆったりとした3拍子。当初は別な作品のために作られた曲のようです。謎めいた雰囲気の第1テーマ、きらきらとした控えめで美しい第2テーマ。ミャスコフスキーは交響曲など大曲の作曲家で固くがっしりとしたイメージがありますが、固い表層の下にトロトロの柔らかい部分が隠されていて、特にピアノ曲では、そんな部分が垣間見えるときがあると思います。ピアノ曲は一人で弾く個人的な曲だからプライベートがうっかり出てしまうのでしょうか。この2楽章もそんな曲の一つでしょう。

ソナチネを挟んでソナタ5番は初期ソナタ4曲から20年近く経ってからの曲です。だいぶ丸くなったというか、耳あたりがよく、聴きやすくなりました。5番と6番が作曲年も近く、似たような雰囲気を持っています。他にソナチネの次に作曲されたプレリュードop.58も収録されています。

OCD 217
Myaskovsky Piano sonatas Volume 2


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