2022年1月1日土曜日

プロコフィエフ ピアノソナタ8番9番 ニコライ・ペトロフ

 ペトロフのプロコフィエフピアノソナタシリーズの3枚目。

戦争ソナタ3曲目と地味な9番。

ソナタ8番

1楽章:いきなりのAndante dolce しかも長い。プロコフィエフのソナタ中、わかりにくい楽章ナンバーワンのような気がしますが、ペトロフはすっきりとはっきりと弾いています。非常に明解です。

2楽章:個人的に象の背中に揺られているような気がする曲なんです。もしくは揺れの少ない舟歌。sognando 夢見るように、幻想を追うようにですね。白昼夢系の曲はペトロフはクールに弾いてくれます。あまり揺れ酔いせずに済むというか。

3楽章:最初は抑え気味に、徐々に徐々に膨れ上がってきて、我慢した甲斐のある終盤ペトロフパワー炸裂! でも実はペトロフって何気に拍が微妙な時があって、これも3拍子の中間部分でしっかりと3拍子をとっていないところがある気がする。16音符の部分。走りすぎるのでしょうか。

ソナタ9番

各楽章の最後に次楽章のテーマを練りこんでいますね。

1楽章:個人的にシンデレラ組曲のシリーズだと(勝手に)思っている曲です。この1楽章と3楽章、4楽章は特に。作曲時期も近いと思います。で、ペトロフはシンデレラのイメージじゃないと言いますか、あまり向いていない気が…。

2楽章:指の練習曲みたいな八分音符のお山。ぐりぐりと弾くペトロフ。ピアノの弦もうなっています。ペトロフの指が欲しいです。

3楽章:シンデレラ組曲op.102の終曲Amorosoに雰囲気が似ていませんか。次の4楽章も。ロマンティックな、甘い雰囲気がこめられていると思うのですが、ペトロフの演奏だとあまりそうは聴こえませんね。

4楽章:プロコフィエフらしさがぎゅっと詰まった、という感じの曲でしょうか。緩急とりまぜ、高音低音合わせ中音抜き、ロマンチックさと無調性ぽい無機質さが同居しているような。9番のソナタは地味だなーと思っていましたが、改めて聴いてみると(年を取ってから聴いてみると)、良さがわかる気がします。

SUCD 10-00209


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