ニコライ・ペトロフのプロコフィエフソナタ全集の2枚目CD。
ソナタ2番
1909年作曲の1番から1912年作曲の2番へと3年しか経っていないのに、これ以降がらりと雰囲気が変わるプロコフィエフのソナタたち。
1楽章:たたみかけるような主題。たたくような音型。ペトロフの強靭なタッチが光る!
2楽章:4拍子のスケルツォ。濁りなくペダル少なめ垂直に振り下ろされたハンマーのよう。
3楽章:陰鬱なAndante。途中で8分の7拍子が自然に入ってくるところがプロコフィエフらしい。この8分の7拍子部分がペトロフは淡い明るさで素晴らしいです。
4楽章:強くて速くてペトロフ向きの楽章ですかね。Moderato部分のメロディは1楽章のdolce指示のメロディと一部似てますね。最後スフォルツァンド7連発って凄いですよね。
ソナタ4番
冒頭に「古いノートより」との記述。思いついたメロディーを書き留めていたノートを手繰って書いた曲でしょうか。
1楽章:地味な印象の曲ではあるものの、心を打つ楽章。作曲者の心情が素直に出ているような第1主題は耳に残って離れません。ペトロフはクールに弾いています。
小節内の拍の取り方が独特で、リズム感が求められるかもしれません。ペトロフは何気に休符1拍飛ばしを2回しています。
2楽章:回想のような、幻想のような。古いヨーロッパ映画のワンシーンにありそうな、無人の回転木馬が夜にきらきらと動いているような…。クールで硬質な透明感を持つ演奏。
3楽章:冒頭5連符6連符の切れの良さ、引きずりすぎないテヌート、7連符の軽やかさ、それでいて音がクリアで太くて強い演奏。ペトロフ最強ですね。
ソナタ6番
戦争ソナタ1曲目。
1楽章:主題の3度和音の下の音が強く出ているのが気になりますが、個性ですね。非常に打楽器的、精密機械的でクリアな太い音で素晴らしいです。
2楽章:規則的な4分音符の刻み方に迷いがない感じ。機械的。←感嘆しています。良い意味です。
3楽章:valzer lentissimo きわめて遅いワルツ。でもあまり遅くないペトロフ。クールな感じが素敵です。
4楽章:Vivace 速いのに1音1音がはっきりと聞こえて、音がクリア。どの音もちょうどよい音量で、この曲全体の姿がはっきりと浮かび上がるようです。
SUCD 10-00207 |
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